注目される高齢者の「訪問リハビリテーション」
こんにちは、カワイコーポレーションです。
高齢者の自宅を専門職が訪問し、生活環境に合わせたリハビリによる「身体機能の改善」、さらに「生きがい」や「家族の支援」も大切にあつかう介護保険による「訪問リハビリテーションサービス」をご紹介します。
*「訪問リハビリテーション」は介護保険だけではなく、医療保険でも利用可能です。
以下の専門家が病院や介護老人保健施設から派遣されます。
◆理学療法士
- (PT:Physical Therapist)
- ●体操や運動、マッサージなどで日常生活が支障なく送れる機能維持・回復を図ります。
◆作業療法士
- (OT:Occupational Therapist)
- ●家事や手芸・工作などの作業動作で、社会適応力の維持・回復をはかります。
◆言語聴覚士
- (ST:Speech-Language-Hearing Therapist)
- ●発声や発語の言葉の訓練、嚥下の機能訓練を行います。
身体機能訓練や社会適応練習、家族の支援などが主なサービス内容です。
◆身体機能訓練
・関節可動域訓練や筋力向上訓練
・歩行・移動訓練や階段昇降練習
◆日常生活に直結した訓練
・入浴動作や排せつ行為の練習
・調理や洗濯などの家事動作の訓練
◆社会適応練習
・コミュニケーション障がいがある方へ対人関係改善練習
・余暇活動練習
・仕事練習
◆言語訓練・嚥下訓練
・失語症に対する言語訓練
・嚥下訓練
・食事形態・食事をする道具の検討
・口腔(こうくう)ケアの仕方、食事介助のやり方に関する家族への指導
◆その他
・福祉用具・住宅環境に関するアドバイス
・本人や家族からの相談
・本人や家族への指導
<介護保険を使う場合>
・医師からリハビリが必要と認められた要介護1~5の認定を受けた方
・65歳未満であっても、特定疾病により要介護認定を受けている方
<要支援1・2の認定を受けた方>
介護予防訪問リハビリテーションを利用できます。
<通院できる方>
通所サービスの利用が優先です。
<通所リハビリだけでは難しい場合>
訪問リハビリテーションと併用して利用できます。
・寝たきりで外出できない
・本人が通所リハビリを拒否する
・自宅で安全に個別にリハビリしたい
・身体介助の方法を指導してい欲しい
①担当のケアマネジャーに相談
利用者と家族が希望する訪問リハビリ事業所を決める
↓
②主治医の診察
訪問リハビリの利用希望を主治医に伝え、診察を受ける。
診療情報提供書や指示書などの必要書類を作成
↓
③事業所と契約
事業所から利用条件・利用方法・サービス内容などの、重要事項説明書の説明を受けて内容に同意し契約する
↓
④ケアプランにサービスを追加
事業所の医師がリハビリ計画書を作成。ケアマネジャーがケアプランに組み入れる
↓
⑤サービスの利用開始
①専門職による体調チェック
体温や脈拍、血圧などを測定。健康状態を確認
↓
②リハビリテーションの実施
利用者の生活スタイルに合わせたリハビリを行う
↓
③利用者や家族の相談に応じる
介護相談、精神的な支援、福祉制度利用の助言
*詳しくは、事業所やケアマネジャーに確認してください
1回のリハビリは20分単位で、1週間に6回までの利用が可能
*1回に連続40分のリハビリを行った場合は、利用回数は週3回まで
訪問リハビリテーションの料金目安
1回20分の場合292円
1回40分の場合584円
(2019年10月更新)
*1単位10円、1割負担の場合で計算<地域や負担割合により金額は異なります>
◆サービス提供体制強化加算(6単位(60円)/1回)
勤務年数が3年以上のスタッフが配置されている
◆短期集中リハビリテーション加算(200単位(2000円)/1日)
介護保険の認定日もしくは退院(退所)日から3カ月以内
◆リハビリテーションマネジメント加算(230~420単位(2300円~4200円)/1カ月)
リハビリの継続的管理に対する加算<事業所の体制によって単位は異なります>
◆訪問リハビリテーション社会参加支援加算(17単位(170円)/1日)
リハビリで身体機能が回復し家事や、地域行事の参加、指定通所介護への移行ができた時
訪問リハビリテーションは、医療保険と介護保険の両方でサービス提供が行われています。
*医療と介護の併用は不可
*要介護認定を受けている人は介護保険での利用が優先
<介護保険による訪問リハビリ>
・要介護認定を受けた人が対象
・日常生活での機能維持を目的にしたリハビリ
・主治医の診察は3カ月に1回
・ケアプランに盛り込んでいれば複数の事業所や医療機関の利用が可能
<医療保険による訪問リハビリ>
・要介護の認定にならない人、急性憎悪時の利用が対象
・治療や訓練に特化したリハビリ
・主治医の指示は1カ月に1回
・医療機関の複数利用は不可
*末期がんの利用には制限がなく、急性憎悪時には1日4単位までの利用が可能。
<訪問リハビリのメリット>
・個別なので、きめ細かく配慮してもらえる
・自宅での日常生活に沿ったリハビリを受けられる
・利用者のペースでリハビリを受けられる
<通所リハビリのメリット>
・専用のリハビリ機器など、環境が整っている
・他の利用者との交流がある
・食事や入浴などのサービスを受けられる
身体を動かしづらくなる高齢者にとって訪問リハビリは重要です。身体を動かすサポートを通して、普段と違う人間関係をもつことは脳の活性化になります、また「身体機能維持」だけでなく「料理がしたい」などの本人の望みを叶える練習は、高齢者の心が明るく前向きになり「楽しみ」という「生きがい」につながります。
高齢者の家族と少しでも一緒に楽しめる時間を増やすこと、それが単にリハビリを受けることより大切です。そして、その時間がリハビリの効果をより高めるのだと思います。
*自治体や事業所により、説明した内容と違う場合がありますので、詳細は必ず各自治体・事業所にお問い合わせください。