介護のための離職を考える
こんにちは、カワイコーポレーションです。
家族が要介護者になると、働く人にとって問題になる「仕事との両立」。介護のために仕事を辞める「介護離職」が社会問題となっています。親が要介護になった時、あなたはどうしますか?
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総務省の「就業構造基本調査」によると、介護・看護を理由に、毎年10万人前後の人が離職せざるを得ない状況が続いています。
しかし、退職すれば収入は減ってしまい日常生活や介護サービスを利用するにもお金は必要なため、介護に集中するほど経済的には厳しくなっていきます。
仕事を辞めずに介護となると、精神的にも体力的にも無理が重なり、介護者自身が「鬱」になる場合もみられます。
「介護は仕事を辞めても辞めなくても、介護者にとって辛い状況になる可能性があります。さて、介護離職について考えてみたいと思います。」
仕事は「自分の人生を表現する意味」としても大切です。介護だけに没頭すると社会とのつながりが絶たれ、介護対象者が亡くなったときの喪失感や精神的負担が大きくなる可能性があります。
「介護を考えなくても良い時間」を持ち、自己実現や自己肯定感のためにも、仕事は可能な限り続けてほしいと思います。
「有給休暇」や「介護休暇」は雇用されている人に与えられる休みです。介護休暇は要介護状態の親族を介護するために取得でき、最大5日まで休めます。
親族を2週間以上、常時介護する必要がある場合、通算93日分まで休業できる「介護休業」という制度も利用できます。
⇒ハローワークに申請、給与の3分の2程度が支給されます
仕事と両立は無理だと!と焦り、1年以内に離職してしまうケースも多いので、まず1年は、介護をする生活を受け入れる「心の準備」と考えてはどうでしょうか。自分の人生を大切にしながら、親の介護もできる体制を整えていくことが理想です。
また、親世代の方には「介護サービスのお世話になる」という心構えを持ってほしいと思います。介護する子どもたちの負担が減ることは、子どもたちとのより良い関係づくりとなります。
「では、仕事と介護を両立するためにはどうしたらいいか考えましょう」
ケアマネージャーに相談し、「ショートステイ」(短期入所生活介護=短いスパンで日常介護を受けられるサービス)先の利用をして、「ヘルパー」「デイサービス」なども組み合わせて、介護サービスを上手く使う。
夜中の介護で睡眠不足になる介護者も多く、土日も介護サービスを利用して、週に2・3日は自分の時間をつくりましょう。
このような介護者の休養の事を「レスパイトケア」と呼び、重要だと言われています。
所得が低くても、介護保険などの利用で負担は減らせます。ケアマネージャーに利用できる社会保障があるか相談してください。それでも厳しいなら、生活保護などの社会的資源に頼ることも考えていいと思います。
親が元気なうちに、介護費用のことを話し合っておきましょう。使える資産を介護にどう使うかが分かっているだけで安心です。
そして、親が自分の老後について考える、良い機会にもなります。
「介護離職に限らず、一人で考えると視野が狭くなることも多いです。ご自身を大切にするためにも、困ったときはまず相談することをお勧めします。
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